はじめませんか【職業別ゆうき症状改善体操】

各職業別でお悩みの方のために、オススメの体操をご紹介させていただきます。

◎仕事前体操…仕事で起こりやすい痛みや可動域制限を予防・改善するための体操
◎すき間体操…休憩時間中にできる予防・改善体操
◎ケア体操…ご自宅で就寝前に行う疲労回復、及び症状改善体操


今回は『仕事前体操』として、各職業別の動きや症状についての体操をご紹介します。

①主婦・主夫のための家事らくらく体操

〈動き〉
上下運動としては階段上り下り、洗濯を干すなどがあります。回転廻旋としては台所、お風呂場掃除など、また歪んだ姿勢での動きはトイレの掃除。水平移動は買い物など。膝を曲げた状態の左右移動として、衣類の整理整頓など。

〈発症しやすい痛み〉
腰痛、膝痛、首肩凝り、背中の痛み。起こりやすい症状としては猫背、お腹ぽっこり、腸内環境の異常、年齢的に頻尿および尿漏れ

〈改善体操〉
1>起きてすぐ骨盤調整体操(アイーン・後ろ手つかみ)
2>食事の準備として→つま先立ち体操、べこちゃん体操
3>掃除の時→膝・腰の8の字
4>洗濯時→肩の8の字、やんやん体操
5>休憩時間→手のひらを太陽に体操・膝上げ

冷湿布は、腰の3番・4番・5番辺りに横に貼って下さい。そして膝裏に1枚、肩甲骨上部の間に1枚貼って下さい

②農作業従事者のための仕事前体操

●動作における類似職業
1.保育士(乳幼児に対応する職業や育児)
2.土木・建設作業従事者
3.水産業従事者

<動き>
上下左右回転水平移動しかありませんが、他の仕事と違うところは足元の不安定性と常に屈曲の姿勢でなければ仕事はできないということです。ちなみに鍬の柄の長さは90cm・105cm・120cmとなっております。常に膝の屈曲と第五腰椎(腰仙関節)の深い屈曲が必要となります。また畑仕事では、しゃがんで足関節と膝関節の最大屈曲が必要で、ひざ頭は地面に着かずの不安定な姿勢を行いながら横への移動が必要な作業です。

<発症しやすい痛み>
膝痛、腰痛、足首の痛み、首肩こり、背中の痛み、股関節痛などが見られます。

<改善体操>、
1>骨盤・脚長差の調整で偏った負荷の解消
2>足首・膝・股関節・脊椎の8の字ゆらし
3>前脛骨筋・アキレス腱・四頭筋・ハムストリング・臀筋・腹筋・背筋の柔軟性を高める運動を行ったのち筋力強化とバランス
4>全身の筋力を伸ばし、疲労物質の循環・促進と血流の促進
特に①膝関節の機能向上②足首・股関節・腰部の調整運動③首・肩こりを解消する運動

冷湿布を貼る際、膝関節においては膝裏を優先し次に前面(膝蓋骨側には膝蓋骨の大きさに冷湿布を切り抜き)に冷ピングをして下さい。
腰では腰骨の3番4番5番に横に1枚、肩には肩甲骨上縁に横に1枚、アキレス腱に1枚湿布を貼ってみてください。

<日常の注意点>
屈曲動作が多いですから、伸ばす動作を多く取り入れ、関節を保護するためにも関節の8の字ゆらしを行い、靱帯関節包の調整を心がけてください。足の親指はなるべく外側に向けて仕事をしてください。膝を屈曲してのカニ歩きは避けてください。畝と畝の間を歩く時には斜め45度での歩き方をしてはいかがでしょうか。

③運転従事者のための仕事前体操

●動作における類似職業
1.運送業(運転作業のみ)

<動き>骨盤を固定し、背骨の軽い屈曲(前屈・後屈)さらに顎を落とし腕を前に伸ばしながら肘を軽く屈曲しての上半身の動作と膝をある程度屈曲し足首でのペダル操作を行う仕事です。

<発症しやすい痛み>腰仙関節と仙腸関節さらに股関節の軽い固定と背骨の軽い屈曲の姿勢が長時間続くことから、腰痛全般(座骨神経痛も含む)、首肩こり、背中の痛み、膝痛、股関節痛などが見られます。また腸内環境の異常や眼精疲労にも注意が必要です。

<改善体操>
1>骨盤の歪みと脚長差の調整
2>足指・足関節・膝・股関節・腰・胸椎および頚椎さらに肩関節の8の字ゆらし
3>腹筋の強化および殿筋・下肢筋の強化、
4>緊張緩和としては背筋・胸部前面の筋肉・肩関節等の、のびのび体操を行って下さい。
5>目の体操

冷湿布を貼る際は、僧帽筋と肩甲骨内側面・肩関節・腰部・仙腸関節・膝裏・アキレス腱のいずれかに貼って下さい。

<日常の注意点>
軽く固定した姿勢を保つため軽く伸ばす運動、下肢を大きく動かすことが少ないため、下肢関節の屈伸や背筋腹筋を強化する運動を心がけてください。

④事務従事者のための仕事前体操

●動作における類似職業
1.縫製業
2.内職

<動き>上半身の軽い屈曲と肩関節の内捻・顎の下垂・背骨の湾曲・骨盤の後傾が見られます。
また特徴としましては、運転従事者と同様、骨盤は固定されていますが下肢の動きは少なく腰部に過大な負担をかける仕事です。

<発症しやすい痛み>
腰痛、首肩こり、背中の痛み、臀部の痛み、膝痛、冷え性、腸内環境の異常に注意が必要です。

<改善体操>
1>骨盤脚長差の調整。特に腰部・胸部の調整
2>首・肩・胸椎・腰椎・骨盤の8の字ゆらし
3>筋力強化としては、頸部後面・腰背部・肩甲骨周囲の筋力の強化をすると共に、過緊張を取り除く運動が必要。
4>伸ばす体操として、のびのび体操やいるか体操、腹筋伸ばし、ゆりかご、スネークダンス
5>目の体操

冷湿布を貼る際は、首・肩・背中・腰すべてにもしくは一部に貼って下さい。

<日常の注意点>
意外と体の固定が必要な職業なので重い荷物を持つ仕事ではありませんが、身体は動きが少ないため、疲れやすい職業です。
とにかく伸ばすことを心がけ、長時間の固定を避けてください。

⑤立ち仕事従事者のための仕事前体操

●動作における類似職業
1.飲食業
2.店舗での接客業
3.警備関係
4.妊娠期間中の方

<動き>
少ない垂直移動と他よりも多い回転・廻旋さらに水平移動が多いと思われます。常に四頭筋とふくらはぎの異常な緊張。骨盤では殿筋の過緊張、さらに体幹では腹筋・背筋や腹圧に注意して運動を組み立ててください。

<発症しやすい痛み>
腰痛、首肩こり、背中の痛み、膝痛、股関節痛、足首及び足底痛、むくみなどに注意が必要です。

<改善体操>
1>骨盤・脚長差の調整
2>立った状態での足首・膝・腰の8の字、立った状態での背骨の8の字
3>筋力強化としては、ふくらはぎ・太もも前面・臀筋・腹筋・背筋・頚筋の強化とバランスが必要です(エアスクワットなど)
4>全身の調整としてくの字倒し、腹筋伸ばし、スネークダンス、猫のポーズ、ゆりかご体操、イルカ体操など

冷湿布を貼る際は、足底・アキレス腱・膝裏・腰仙関節・肩甲骨上縁など、一部または全部に貼って下さい。

<日常の注意点>
足の裏や下肢の関節の負担、さらに骨盤と背骨をつなぐ腰仙関節(腰骨と仙骨の関節)に大きな負担が来ます。急激な左右の動きは避けるよう心掛けてください。履物には注意し、べた靴はやめてください。ヒールの高さは3cm程度にしてはいかがでしょうか。

⑥医療関係者のための仕事前体操

●動作における類似職業として
1.修理工
2.技術者
3.理容・美容師

<動き>
捻った状態での固定動作及び上下・回転・廻旋など特殊な動き。特徴としては関節及び腰・膝などに過大な負担がかかる動作です。

<発症しやすい痛み>
腰痛、首肩こり、背中の痛み、膝関節痛、股関節痛、足底痛などに注意が必要です。

<改善体操>
1>骨盤の歪みと脚長差の調整
2>足首・膝・股関節・腰・首・肩すべての8の字ゆらし
3>筋力強化としては四頭筋とふくらはぎの筋肉、臀筋、内転・外転筋
4>のびのび体操、かかとの突き出し、腹筋伸ばし、ローリング体操、くの字倒し

冷湿布を貼る際は、足首・膝・腰・背中・首・肩など一部に貼って下さい。

<日常の注意点>
歪んだ姿勢、俊敏な動き、重い物の移動がミックスされた代表的な職業だと思います。歪んだ姿勢での固定時間をなるべく少なくし、膝関節を深く曲げる動作はできるだけ避けてください。また膝を曲げた状態での左右の動きは十分気を付けてください。

⑦伝統芸能継承者(正座を必要とする方)のための体操


●動作における類似職業として
1.花柳界
2.日舞
3.歌舞伎・能・狂言・和楽器奏者
4.落語家
5.茶道・華道・書道従事者
6.ホテル・旅館・料亭などの従事者
7.僧侶…など

<動き>
正座を中心として考えますと、長時間座ったまま、すり足

<発症しやすい痛み>
膝痛、腰痛、股関節痛、首肩こり

<改善体操>
1>骨盤・脚長差の調整
2>膝・足関節・腰部の8の字ゆらし
3>筋力強化より筋肉を伸ばし、柔軟性を高める体操
4>背筋・腹筋・腹圧さらに臀筋の強化

<日常の注意点>
座ったままの捻りをなるべく行わないでください。正座はできるだけ30分以内と心がけてください。膝に痛みやしびれが生じた場合は、
①正座のまま足指のつま先を立てる
②できるだけ膝の間隔を拡げる
③手の平をふくらはぎと太ももの間に差し込む
④かかとを尾てい骨の少し外側に当たるようにする

冷湿布は膝裏に1枚、アキレス腱に1枚、太もも前面の下部3分の1の位置に横に1枚(運動点)、腰に貼って下さい。

各体操の詳しい内容につきましては、
お近くのゆうきカルチャー教室へのご参加、または当院へご来院ください。