変形性膝関節症でも正座ができるまで改善可能|手術回避と運動療法の体験談|膝関節痛治療40年の専門家が解説|ゆうき指圧

「正座ができる=膝痛を克服した」と私たちが考える理由

「歩くと膝が痛い」 「階段の上り下りがつらい」 「椅子から立ち上がるたびに違和感がある」
こうした悩みを抱えて来院される方の多くが、整形外科で「変形性膝関節症ですね」「年齢相応です」「いずれ手術も検討しましょう」と言われています。
私たち「ゆうき指圧」では、膝痛治療のひとつの明確なゴールを 「正座ができること」 に設定しています。
なぜなら正座は、以下の要素が必要とされる膝にとって最も条件の厳しい動作だからです。

  • 膝を深く曲げる
  • 体重が直接膝関節にかかる
  • 太もも・ふくらはぎ・足首まで連動が必要

この「正座」ができるようになるということは、それより負担の少ない「立つ・座る」「階段の上り下り」「歩く・走る」といった動作が、もっと簡単にできるようになることを意味します。
そしてそれは、膝関節の可動域、膝関節周囲組織の柔軟性、そして全身のバランスが整ってきた「結果」だと私たちは考えています。
では、なぜそれが可能なのか、順に詳しく解説していきましょう。

変形性膝関節症とはどのような状態か

変形性膝関節症とは、一般的には以下の要因によって膝関節の軟骨がすり減ることで起こると説明されます。

  • 加齢
  • 体重負荷
  • 長年の使いすぎ

治療の流れとしては、痛み止め、ヒアルロン酸注射、筋力トレーニングが行われ、それでも改善しなければ「人工関節手術」というのが一般的です。
しかし、40年以上にわたり膝関節痛を専門に見てきた私たちは、 「軟骨のすり減り=痛みの原因」ではない という事実を、臨床の現場で何度も確認してきました。

軟骨がすり減っても、痛くない人がいるという事実

以前、NHK「ためしてガッテン」でも紹介された研究では、驚くべき事実が報告されています。

  • 軟骨がほとんど消失している
  • レントゲン上は重度の変形がある  

にもかかわらず、

  • 痛みなく歩ける
  • 正座やあぐらができる

という人が、一定数存在するのです。

つまり、痛みの有無と軟骨の状態(レントゲン写真の結果)は、必ずしも一致しないのです。

私たちが考える「膝痛の本当の原因」

では、あなたの激しい痛みはどこから来るのでしょうか。
私たちが最も重視しているのは、腱(けん)、靭帯(じんたい)、関節包(かんせつほう)といった、膝関節を包み・支えている軟部組織です。

これらが、「硬くなる」「動きが悪くなる」「バランスを失う」ことで、膝関節の動きが制限され、結果として「痛み」として現れます。 重要なのは、痛い状態で無理に筋肉を鍛える前に、まず組織を緩めて“動ける状態”を取り戻すことです。

正座ができるようになる人が、実際にいる理由

当院には、「正座はもう無理だと思っていた」「一生イス生活だと覚悟していた」という方が多く来院されます。
しかし、腱・靭帯・関節包の拘縮(こうしゅく)をゆるめて、関節の本来の動きを取り戻し、個々に合った運動療法を継続することで、再び正座ができるようになる方は決して珍しくありません。

【体験談】変形性膝関節症と診断されても、正座ができるまで改善

それではここで、長年、重度の膝痛に悩みながら私どもの運動療法を実践することで改善し、大好きな日本舞踊に再び集中できるようになった女性の体験談をご紹介します。

■ 80年近く踊り続けてきた私を襲った、激痛

私が日本舞踊を習い始めたのは4歳の頃からですから、もう80年近く踊り続けています。体が弱かった私を丈夫にさせたいという親心とは別に、私は踊りのない人生なんて考えられないほど夢中になりました。
そんな私を災難が襲ったのは15歳の頃です。学校のバレーボール部や登山部に所属し、激しい練習を繰り返すうちに、ひざを悪くしてしまったのです。 痛みはかなりひどく、じっとしていてもズキズキとうずくほどでした。お医者さんに診てもらってもよくならず、バレーボールや登山は断念しましたが、踊りだけはあきらめられませんでした。
常に重心を低く落とす日本舞踊では、ひざを折って中腰になるたびに、思わず悲鳴を上げたくなるような激痛が走ります。それでも、踊りが好きだからと、歯を食いしばり泣きながら20年、30年と踊り続けてきました。私にとって踊りは、祈りのようなものなのです。
この痛みさえなければと悔しい思いを数えきれないほどしましたが、大学病院の整形外科、鍼灸、マッサージなど、あらゆる治療を試みても、一向によくなりませんでした。

■ 「ひざの原因は股関節」という意外な診断

60歳を過ぎたころ、大谷内輝夫先生に出会ったのは、私にとって大きな転機でした。 先生の見立ては意外なものでした。「ひざが痛むのは、ひざそのものよりも股関節に原因がある」とおっしゃるのです。股関節に故障があって動きが悪いため、それをかばおうとしてひざに負担がかかっているというわけです。
確かに、以前から太もものつけ根にも痛みはありましたが、より激しいひざのほうにばかり気を取られていました。

■ 痛みが消え、80歳を過ぎて初めて集中できる喜びに

先生は、股関節とひざの両方に効果がある運動プログラムを作ってくださいました。横になって足を上げたりする10種ほどの運動です。
今だから言えますが、最初は「こんな簡単なことでよくなるのかしら?」と思ったものです。しかし、先生が「大丈夫。あせらず続けていれば必ずよくなります」とおっしゃったその言葉にウソはありませんでした。
どうせやるなら信じることが大事だと毎日運動を続けていると、なだらかな坂を下りるように、ゆっくりとひざや股関節の痛みが軽くなっていったのです。
3年もたった頃には、踊っているときでもいないときでも、ほとんど痛みは気にならなくなりました。ひざの痛みが軽くなり、普段の動きがよくなったおかげで、体重も減って体も軽くなりました。
なんの不安もなく、踊りだけに集中できることのすばらしさを感じたのは、人生で80歳を過ぎてきて初めてのこと。まるで娘のように心がワクワクし、踊ることの喜びをしみじみかみしめました。 今年で81歳になりますが、おかげさまで踊りのほうはまだまだ現役です。舞踊家としての私の人生をいっそう充実させてくれた先生に、心から感謝しています。

専門家からの補足

当研究所の統計では、ひざの痛みを訴える患者さんの約4割が「股関節の異常」もしくは「機能低下」によるものです。今回の体験談のように、患部(ひざ)だけでなく、大本の原因(股関節など)を断つことが根本改善に繋がります(なお、体験談中のご年齢はお話を伺った当時のものです)。

ゆうき指圧が大切にしている膝痛改善の考え方

私たちの膝痛治療の軸は一貫しています。

  • 病名ではなく「人」を見る
  • レントゲンではなく「動き」を見る
  • 手術か保存かではなく「今できること」を積み重ねる

変形性膝関節症であっても、症状も経過も、体の使い方も人それぞれ。だからこそ画一的なリハビリではなく、個別対応が必要だと考えています。

手術を否定しない。でも、手術だけが答えではない

私たちは手術を否定しているわけではありません。手術が必要なケースや、手術が最善の選択となるケースも確かに存在します。

とはいえ、「手術を受けるしかない」と決める前に、まだできることがあるという事実を、あなたに知ってほしいのです。

保存療法で膝関節周囲の状態を整えることで、「痛みが軽減する」「日常生活が楽になる」。そして結果として、「手術を先延ばす」「手術を回避できる」可能性は十分にあります。

まとめ|「もう正座は無理」とあきらめる前に

「変形性膝関節症 = 正座ができない」ではありません。
痛みの原因は軟骨のすり減りだけではなく、周囲組織(筋肉や腱、関節包)にあることが多いことを、まず知っていただきたいと思います。そして、適切な運動療法で改善するケースは多数あるということをお伝えしたいのです。
「もう年だから」 「変形しているから仕方ない」
そう決めつけてしまう前に、あなたの膝の状態を正しく見直してみませんか? 私たちは、一生を自分の足で歩き続けられるよう、あなたの可能性を最後まで一緒に探します。