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自分でできる!中高年の正しい筋力強化
Q.中高年の筋力強化はなぜ必要ですか?
A.中高年(40歳以上)は関節力の低下とともに、筋力が以前より大幅に低下します。日常的なものとしては、骨折さらに筋肉によって補る血液流量やホルモンの低下が顕著にみられます。それにより最近言われるフレイル(加齢に伴い生活機能や予備能力が低下し、健康状態に対する脆弱性が増した状態)の状態を引き起こします。
筋肉はその構成する筋線維の性格から大きく下記の2種類に分けられます。
パワーが高いが、持久性が低く、疲労しやすい「速筋」(筋力に関係)
パワーは小さいが、持久性が高く、疲労に対する耐性が高い「遅筋」(筋持久力に関係)
筋肉は負荷運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷運動で、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、再度負荷運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。
逆に筋持久力のトレーニングは最大筋力の4割程度軽い負荷の有酸素性運動で、運動できる限界に近づくように繰り返し続けることによって行われます。これによって筋線維周りの毛細血管が発達し酸素供給力が高まることで持久力が高まります。
Q.中高年で膝・腰・股関節部位に筋力低下が起こった場合は
A.
1.瞬発力、持久力が低下し、歩きたくない、動きたくない、疲れやすくなります。
2.大きく5つが考えられます、これらが低下すると老化が促進され心身ともに加齢を感じるようになります。
・姿勢を保持する
・血液を心臓に戻す
・代謝を上げる
・体を衝撃から守る
・免疫力を上げる
Q.中高年の筋力強化はどうすればいいですか
A.筋力低下というと、すぐジムや自宅での負荷運動(バーベルなど)を思い浮かべますが、私どもが考えるにまず行っていただきたいことは、瞬発力よりも持続力を作る運動です。そこでお勧めするのは、有酸素運動としての散歩やウォーキング、歩数としては女性1日6800歩、男性7300歩程度を行っていただくのが第一目標です。第二目標としましては、自力抵抗負荷運動をお勧めします。この運動はなにも器具を使わずにご自身の身体でケンカ(自力での抵抗負荷運動)を行うことをお勧めし、無理なく自宅で簡単、安全、短期間で筋力がつく運動です。
実際の自力抵抗負荷運動とは
たとえば、膝をあげる運動として、椅子に座り膝を組み、上の膝と下の膝を軽く押し合いっこ(ケンカ)していただくと、膝を上げやすくなります。
そのほかにも下肢の外転筋、内転筋を鍛える運動、四頭筋を鍛える運動、前脛骨筋を鍛える運動、腹筋・背筋・殿筋を鍛える運動、腕の筋力を鍛える運動などさまざまな運動があります。
Q.筋力強化を行う際の注意点はありますか?
A.
1.姿勢について
a.椅子に座って
b.上向きに寝て
c.横向きに寝て
d.うつ伏せになって
e.なにかに手を添えて
2.運動法の考え方について
a.できるだけ体重をかけない
b.できるだけ支点にしない
c.できるだけひねりを加えない
d.できるだけ衝撃をあたえない
3.運動を行う前の注意について
順番として
第一に骨盤のゆがみと脚長差をあらかじめ調整しておき、
第二に関節の可動域を十分つくったのち、
第三に器具などを使わず自分の力での筋力強化
最後に全身のバランスをチェック