診療時間
9:00~16:00
診療日
月~土
私は長年、ひざ痛・股関節痛・脊柱管狭窄症専門治療を行ってまいりました。
ところが近年、患者さんから寄せられるご相談の内容が少しずつ変わってきたことを実感しています。
ひざ痛・股関節痛・腰痛の質問は当然ながら、以前は骨粗しょう症についての質問が多かったのですが、8年前頃から「便秘」「頻尿」「尿漏れ」「骨盤臓器脱」についてのご相談を受ける機会が急激に増えてきました。
さらに私自身も60歳を過ぎた頃から、2時間半ほどの映画を最後まで安心して観ることが難しくなり、3時間ほどの講演でも途中でトイレに行きたくなるようになりました。
「これは年齢のせいだから仕方がない」と諦めるのではなく、「何とか改善できる方法はないだろうか」と考えたことが、この研究を始めるきっかけでした。
以来、便秘・頻尿・尿漏れ・骨盤臓器脱について学び、改善方法の研究を続けています。
一般的には、頻尿や尿漏れは「加齢」や「骨盤底筋の衰え」が原因とされ、骨盤底筋を鍛える運動が推奨されています。
もちろん骨盤底筋の運動は非常に重要です。
しかし、私が日々の臨床で多くの患者さんを診ている中で、一つの疑問を持つようになりました。
頻尿や尿漏れで悩まれている方の中には、若い頃から運動習慣を続けている方が少なくありません。
毎日身体を鍛えている方、ヨガやストレッチ、ダンス、スポーツを継続している方、さらには舞台で日常的に身体を使っている方でも、同じような症状に悩まれているケースを数多く経験してきました。
「骨盤底筋を弱いだけでは説明できない何かがあるのではないか。」
そう考えるようになりました。
また、私の臨床経験では、ひざ痛で来院される患者さんには便秘で悩まれている方が非常に多く、子宮脱を経験されている方もちらほらお聞きします。
一方、股関節痛で来院される患者さんには、頻尿を訴えられる方が多いという印象があります。
これらを診ていく中で、私は一つの考えに至りました。
それは、股関節痛の方は骨盤が過度に前傾し、ひざ痛の方は骨盤が過度に後傾しているという事実です。
そして、この骨盤の傾きによって子宮や膀胱など骨盤内臓器の位置が本来の状態から変位し、それが便秘・頻尿・尿漏れ・骨盤臓器脱の一因になっている可能性があるのではないかと考えています。
これは私自身が長年の臨床経験から抱いている仮説であり、今後さらに検証を重ねていきたいと考えています。
また現在、広く行われている骨盤底筋トレーニングについても、私は改善の余地があると感じています。
骨盤がゆがんだまま、脚長差があるまま、あるいは骨盤底筋が硬くなったままで筋力強化だけを行っても、本来期待される効果は十分に得られないのではないでしょうか。
私はまず、
が重要であると考えています。
そのために、「ひざ・股関節の8の字ゆらし」や「腰の8の字ゆらし」などを取り入れ、まずは骨盤周囲の柔軟性を高めたうえで骨盤底筋トレーニングを行うことで、より高い効果が期待できるのではないかと考えています。
さらに骨盤臓器脱については、骨盤底筋のゆるみや機能低下だけでなく、子宮など骨盤内臓器の位置を整えること、便秘を改善することも重要な要素になると考えています。
私どもでは、便秘改善運動に加え、医師・看護師・助産師・理学療法士・作業療法士の皆様と共同で研究・開発した、妊娠・出産後に骨盤を整える体操も開発しています。
これらを組み合わせることで、便秘・頻尿・尿漏れ・骨盤臓器脱の予防や改善につながる可能性があると考え、日々研究と臨床を続けています。
便秘、頻尿や尿漏れ、骨盤臓器脱は、人には相談しづらい症状です。
そのため「手術しか方法はない」と思い込んでしまう方も少なくありません。
もちろん、症状によっては手術が必要な場合もあります。
しかし、その前に、自分自身の身体を整え、改善を目指せる方法があることも知っていただきたいと思っています。
私はこれからも、ひざ・股関節・腰の専門家として培ってきた知識と経験を生かしながら、便秘・頻尿・尿漏れ・骨盤臓器脱で悩む方々のお役に立てるよう研究を続けてまいります。
『便秘・頻尿・尿もれ・骨盤内臓器脱』基本的な考え方
便秘、頻尿、尿もれ、骨盤内臓器脱は、多くの方が悩みを抱えながらも、人にはなかなか相談しづらい症状です。
私たちは、このようなお悩みを抱える方々のお役に立てるよう日々研究を重ねてまいりました。
これまでの多くの情報は女性向けに発信されてきましたが、本来であれば性別を問わない悩みであるため、男性・女性のどちらにも対応できる運動法の開発を行っています
従来の改善運動では、主に骨盤底筋を上方向へ引き上げるトレーニングが中心とされてきました。しかし骨盤底筋は単純に上下へ働くだけではなく、横方向にも広がりながら身体を支える重要な役割を担っています。
そのため、上方向に引き上げる改善運動だけではなく、まず「なぜ骨盤底筋が十分に機能しにくくなっているのか」という原因から目を向けることが大切だと私たちは考えています。
さらに、骨盤底筋は恥骨・尾骨・仙骨を結ぶように存在しているため、骨盤のゆがみや身体全体のバランスの影響を受けやすい構造となっています。しかし従来の改善運動では、こうした骨盤のゆがみや左右差、関節の動きの違いなどへの評価や調整がまったく行われていません。
そこで私たちは、骨盤底筋そのものを鍛えるだけでなく、
・骨盤のバランスやゆがみ
・脚長差の有無
・股関節など各関節の可動域
・筋肉の使い方や左右差
を総合的に考慮しながらアプローチする、新しい視点の改善プログラムを考案しました。
この方法は、単に筋力を高めることを目的とするのではなく、身体全体のバランスを整えながら骨盤底筋が本来の働きを発揮しやすい状態へ導くことを目指しています。
その結果、短時間で高い効果を望め、継続しやすい運動法として、多くの方に役立てていただける内容となっています。
これまでの常識に新たな視点を加え、便秘・頻尿・尿もれ・骨盤内臓器脱でお悩みの方々が、より快適な毎日を送るためのお手伝いができれば幸いです。