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「もう変形性股関節症だから仕方がない」「いずれ歩けなくなるかもしれない」と不安に感じている女性の方が、当院には多く来院されます。確かに、変形性股関節症は進行性の疾患です。しかし、私たちには約40年にわたる臨床経験を通して積み重ねてきた“運動療法による改善の実績”があります。
股関節痛の原因は、軟骨のすり減りや加齢、筋力低下だけではないという認識のもと、靭帯・腱・関節包の拘縮および筋肉バランスの乱れに着目。オーダーメイドの運動プログラムを安全にご自宅で継続していただくことで、多くの方が痛みを軽減されています。その結果、手術を回避されるケースも多く、QOL(生活の質)を高めることにつながっています。
本稿では、
を順に院長の私がわかりやすくお伝えします。どうぞ安心してご覧ください。
股関節は、**骨盤の臼蓋(きゅうがい)と、その中に収まる大腿骨頭(だいたいこっとう)**によって構成される、人体でもっとも“深くはまっている”球関節です。臼蓋は骨盤側が器のようになって大腿骨頭を包み込み、大きな荷重でもスムーズに動くように設計されています。この構造があるからこそ、人は長時間歩いたり、階段を上ったりできるのです。
しかし、この構造ゆえに、骨盤の角度や臼蓋の深さ、大腿骨頭の適合状態が少しでもずれると、股関節に過剰な負荷がかかります。女性の場合、骨盤が男性よりも幅広く、臼蓋側のカバー率(骨盤側がどれだけ大腿骨頭を包んでいるか)が男性より低めという統計もあります。そのため、女性の方が圧倒的に変形性股関節症を発症しやすい傾向にあります。
変形性股関節症の進行とは、一般的に“軟骨のすり減り”→“骨どうしがぶつかる”→“痛み・可動域制限”という流れで捉えられがちですが、実は「軟骨が減っているから必ず痛む」というわけではありません。ここに、誤解と改善の可能性があります。
多くの病院で「軟骨がすり減っているから痛みが出る」「年だから筋力をつけましょう」と説明され、筋力トレーニングから始める方も少なくありません。しかし、私の40年以上にわたる治療経験を振り返ると、 軟骨の状態と痛みの強さは比例しないこと が多数、見受けられます。
さらに、2017年に放送されたテレビ番組 NHK 『ためしてガッテン』では、関節の周りを袋のように包む「関節包」に多くの痛みを感じる神経が集まっており、関節包やその周囲の軟部組織が硬くなると、ほんの少しの動きでも痛みを感じやすく、曲げ伸ばしがしづらくなるという放送もされました。臼蓋や大腿骨頭に構造異常があるケースでは、関節包やその周囲の靭帯・腱が本来の動きを制限してしまい、結果として“痛み”や“動きづらさ”を引き起こしていたのです。
つまり、私たちは以下の2点に着目しました:
①靭帯・腱・関節包が拘縮(=硬くなる)して可動域が狭まっていること
②筋肉の働き方(屈筋と伸筋のバランス)が崩れていること
この2点が、股関節の痛みや動作制限の根本的な原因であると、臨床データが示しています。軟骨のすり減りや、加齢・筋力低下だけでは“痛みがおこる仕組み”を説明できないのです。
当院では「手術をしたくない人のための膝・股関節治療院」を掲げ、大阪は住吉区で40年以上にわたり、膝・股関節・脊柱管狭窄症専門の治療を続けてきました。ホームページにも掲げているように、独自の「ゆうきプログラム(学術名:PSTRエクササイズ)」を開発し、講演・出版・全国セミナー実績も豊富です。
臨床データとして、変形性股関節症と診断され、手術を勧められた患者様の中で、当院で運動療法を継続された方の多くが手術を回避しています。その背景には、以下の要素があります:
実際、「軟骨はほとんどなくても股関節の痛みが消えた」「病院で人工関節置換手術を勧められたが回避できた」といった声も数多く頂いています。これは「構造的な解釈」と「運動プログラムの実践」が一致した結果と捉えています。
当院の運動療法「ゆうきプログラム(PSTRエクササイズ)」は、2015年に世界変形性関節症会議で論文が採用されました。このプログラムは、単なる筋力強化ではなく、以下の2つの目的を明確にしています:
拘縮した軟部組織は、可動域を狭め、骨どうし・骨と軟部組織との摩擦を生みます。これが動作時の痛みや違和感の大きな原因です。ゆうきプログラムでは、まずその“こわばり”を丁寧にゆるめることを目標にしています。
股関節痛・ひざ痛ともに、屈筋(曲げる筋肉)と伸筋(伸ばす筋肉)の働きの偏りが痛みを引き起こすキーとなっています。ゆうきプログラムでは“どこを鍛えるか”ではなく、“どの筋肉が働いていないのか/どの筋肉が過剰に働いているのか”を見極め、そのバランスを整えることを重視しています。
この二段構えの意図により、痛みの根源にアプローチし、痛みの軽減、ひいては長期的に手術を回避することを可能にしています。
当院では、治療院内で行う施術だけでなく、患者様ご自身がご自宅でも安全に行える運動プログラムを指導し、実践していただいています。これには次の理由があります:
結果として、多くの方が「通院治療が終わってからも動ける体を維持」できており、痛みも手術も回避しながら、生活の質を高く保たれています。
変形性股関節症は確かに進行性の疾患です。しかし、だからこそ「どう過ごすか」が非常に重要です。
「痛みが出た」「医師に手術を勧められた」と不安になる前に、あなたの痛みのメカニズムを知り、体を正しく動かせるようになることが、いつまでも快適に歩けるようになるための第一歩となります。
当院では、40年以上の実績と「ゆうきプログラム」という確かな裏付けをもとに、女性の股関節痛・ひざ痛に特化してサポートしてきました。
もし「歩くと股関節が痛い」「ひざも最近気になる」といった不安があるなら、ぜひ一度ご相談ください。
皆さまがこの先も痛みに悩まされることなく、“自ら動ける体”でいられるよう、全力でお手伝いいたします。