メディアに紹介されて20年──なぜ私たちの運動プログラムは股関節痛・ひざ痛・脊柱管狭窄症に効果を上げているのか|専門治療40年超の歩みを院長がまとめます|ゆうき指圧

はじめに

「どんな治療よりも、この運動で痛みが軽くなった」──そんな声を聞くたびに、40年前の開院当初を思い出します。
患者さんが来院されない日もあったあの頃、一人ひとりの身体の動きを観察し、痛みの原因を探り続けた日々。
その積み重ねこそが、今も評価され続ける「ゆうきプログラム(PSTRエクササイズ)」の原点です。


本記事では、なぜ私たちのプログラムがメディアに20年取り上げられ続け、今なお効果を上げているのか──。その理由を、院長の私が40年の歩みとともにご紹介します。

メディアに支持され続ける理由

2006年、健康雑誌『安心』(マキノ出版)の取材を受けたときのことは今でもよく覚えています。「股関節痛」特集に初めて紹介されたのですが、私どもの提案する「変形性股関節症を手術に頼らず自力で改善する運動プログラム」が大反響を呼んで、問い合わせの電話が鳴り止まない日々が続きました。
同年には、初の著書『ひざ痛・股関節痛は自分で治せる』を出版。その後も国内外で10冊を超える書籍が刊行され、雑誌などで多く取り上げられてきました。
ここ 最近では、『はつらつ元気』(2025年8月号)脊柱管狭窄症特集で「宅トレゆうき体操」が取り上げられました。

私どもの、ゆうきプログラムはこれまで約8万人が実践し、そのうち90%以上が改善を実感
さらに、世界変形性関節症会議で学術発表が採用され、国際的にも注目を集めています。

ゆうきプログラムがメディアから信頼され続けるのは、

「科学的理論」 × 「40年の臨床経験」 × 「患者に寄り添う姿勢」
この三つを地道に積み上げてきた証だと考えています。

すたれない理由──それは「人」を見つめ続けてきたから

40年間、私たちは“診断名”で人を判断したことはありません。
同じ「変形性股関節症」であっても、痛みの出る場所も、動作のクセも、生活習慣も、人によってまったく異なります。
だからこそ、私たちは症状ではなく人を見ることを大切にしてきました。
歩くと痛い人、立つと痛い人、座ると痛い人── 原因は一人ひとり違います。
ていねいに関節の可動域や筋肉の緊張ぐあい、骨盤のゆがみなどを分析し、個別の運動プログラムを提案していく。
その積み重ねこそが、40年経っても色あせない「ゆうき指圧」の根幹です。

変形性股関節症とはどんな病気なのか

股関節は、骨盤側の「臼蓋(きゅうがい)」と、太ももの骨である「大腿骨頭(だいたいこっとう)」が受け皿とボールのようにかみ合って構成されています。
また、 これらを包む「関節包」や、それらを支える「靭帯」「筋肉」が、歩行や立ち上がりなどの動作を安定させています。
しかし、加齢や姿勢の乱れ、生活習慣や遺伝などによって関節包や靭帯が硬くなると、股関節の可動域が狭まり、ちょっとした刺激でも痛みを感じるようになります。
変形性股関節症は圧倒的に女性に多い病気です。男性とは異なる骨盤の構造やホルモンの影響も関係しています。
そして、 痛みの原因は一般によく言われている“軟骨のすり減り”ではなく、“関節包や靭帯の拘縮”にあることが、私たちの臨床研究からも明らかになっています。

痛みを根本からとらえる──独自の理論

股関節に痛みを覚え、病院に行くと、よく「筋力をつけましょう」と言われます。しかし、筋肉をただ鍛えるだけでは痛みは改善しません。
重要なのは、筋肉間のバランスを整えること
私たちの歩行時には、屈筋(縮む筋肉)と伸筋(伸びる筋肉)が交互に働く必要がありますが、このバランスが崩れたままの状態が続けば、股関節だけでなく、ひざや腰にまで痛みが波及します。

ゆうきプログラムでは、

  • 関節包や靭帯の柔軟性を取り戻す
  • 筋肉の協調を促す
  • 正しい動作を再教育する

この3つを軸に、患者さんが自分の体を取り戻すためのサポートを行っています。

オンラインでのリハビリに力を入れる理由

近年は、「宅トレゆうき体操」として、オンラインでのリハビリプログラムも展開しています。
その背景には、2つの大きな想いがあります。

1つ目は、痛みのある患者さんに遠路、治療に来ていただかなくてもよくしたいという願い。
2つ目は、毎日コツコツ運動療法を続けることこそが、症状改善への最短ルートであるという確信です。

「運動は、治療院に通う時間よりも“日常生活の積み重ね”にある」
だからこそ、オンラインを通じてご自宅で安全に、確実に成果を上げられるよう体制を整えました。
これは、「自分の症状は自分の力で治す」という1984年の開院以来変わらない理念の延長線上にあります。

40年の歩み──研究と臨床の積み重ね

1984年の開院当初は、患者さんが一人も来ない日もありました。
しかし、その時間を研究に費やし、一人の体の中にある「治る力」を見つめ続けてきました。
症状の記録、施術の経過、動作の分析──日々の試行錯誤の中から得た膨大なデータが、今の理論の礎です。
臨床の中で、筋肉・靭帯・関節包の関係性を解き明かし、動作から痛みを読み解くアプローチを体系化しました。
そして、これが世界の整形外科医や理学療法士からも注目される「PSTRエクササイズ」の基礎となりました。

これからのゆうき指圧

AIやリモート医療が急速に進化するなかでも、私たちは「人の手と感覚」を大切にしています。
技術では測れない“違和感”や“痛みのサイン”を見逃さないのが、人間の感性です。
そして、それを患者さん自身が感じ取れるようになることこそが、真の回復につながります。

私たちが目指すのは、

「痛みに振り回されない日々を取り戻す」こと。

40年積み上げてきた信頼と実績をもとに、これからも全国の患者さんに“いつまでも自分の足で歩ける力”を手に入れるサポートをしていきます。

まとめ

股関節痛、ひざ痛、脊柱管狭窄症はいずれも進行性であり、手術を勧められがちな疾患ではありますが、正しい動作の理解と継続的な運動療法によって改善は可能です。
メディアに取り上げられ、学会でも評価されているのは、私たちの理論が実証されてきたからではないでしょうか。
そして何よりも、痛みと向き合ってきた多くの患者さんの努力の証だと思います。
これからも一人ひとりの「歩く喜び」を取り戻すために、私たちは進化しつつも “変わらない本質”を守り続けていきます。