階段がつらいのは筋力不足ではありません|上りと下りで痛みの原因が違う理由【宅トレゆうき体操】

【この記事の結論】

階段の「上り」と「下り」では、身体にかかる負荷の種類が異なるため、痛みの原因も同じとは限りません。
一般的に、上りでは股関節の動きや太ももの筋肉を使う力が求められ、下りでは着地時の衝撃を受け止める働きが重要になります。
そのため、「筋力不足だから鍛えればよい」と一律に考えるのではなく、まず関節が動きやすい状態を整え、その上で身体の使い方を改善していくことが大切です。
43年以上、膝痛・股関節痛・脊柱管狭窄症の治療に携わってきた「ゆうき指圧」では、この考え方をもとにした運動療法を実践しています。7月にリニューアルした「宅トレゆうき体操」では、「階段の上り下り」をテーマにした動画を公開しています。

「筋力不足だから仕方ない」と思っていませんか?

「階段がつらくなったのは年齢のせい。」
「筋力が落ちたから鍛えなければ。」
このように考え、ウォーキングやスクワットを始める方は少なくありません。
もちろん筋力は大切です。
しかし、長年多くの患者様と向き合う中で感じるのは、階段の痛みは筋力だけでは説明できないケースも多いということです。
まず確認したいのは、
「上りで痛いのか」
それとも
「下りで痛いのか」
という違いです。
この二つは、身体への負担のかかり方が大きく異なります。

上りと下りでは身体の使い方がまったく違います

■ 上りで痛い方

階段を上るときは、自分の体重を持ち上げる動きになります。
太ももの前側(大腿四頭筋)だけでなく、股関節をしっかり伸ばす動きも重要です。
股関節の動きが硬くなっていると、十分に力を伝えられず、その負担が膝へ集中してしまうことがあります。

■ 下りで痛い方

一方、下りでは身体を持ち上げるのではなく、着地時の衝撃を受け止める動きが中心になります。
着地の瞬間には、体重の3〜5倍もの圧力が膝へかかることがわかっています。ですから、階段の下りで痛い方は、「制動」の問題が中心です。
このとき、関節包や靱帯など関節周囲の組織が十分に動きにくい状態では、衝撃をうまく分散できず、膝や股関節の痛みにつながる場合があります。
つまり、
上りは「動かす力」
下りは「受け止める力」

が重要になるため、改善方法も同じではありません。

関節を整えてから動かすという考え方

「痛いなら筋トレを頑張ろう。」
その考え自体は決して間違いではありません。
しかし、関節の動きが制限されたまま筋力だけを高めようとすると、かえって負担が増えてしまうケースもあります。
当院ではまず、関節が動きやすい状態を目指すための「除圧」という考え方を大切にしています。
除圧とは、関節にかかる過度な圧迫を和らげ、自然な動きを引き出しやすい状態へ導くことを目的としたアプローチです。
そのうえで筋力や身体の使い方を整えていく。
この順番が、これまで積み重ねてきた臨床経験のなかで大切にしてきた考え方です。

7月のテーマは「階段の上り下り」

この考え方をご自宅でも実践していただけるよう開発したのが、「宅トレゆうき体操」です。
7月は「階段の上り下り」をテーマに、次の3本の動画をご用意しています。

動画内容
階段上り下りが楽になるアドバイス上りと下りで異なる原因や身体の使い方を解説
コンビネーション体操①骨盤調整を中心に、関節を動かしやすい状態へ導く体操
コンビネーション体操②身体への負担に配慮した筋力強化とクールダウン

この3本を通して、
「緩める → 整える → 動かす」
という当院の基本的な考え方をご自宅で実践していただけます。

小さな変化が「改善の正の連鎖」を生みます

階段がつらいと、外出を控えるようになります。
歩く機会が減り、身体がさらに硬くなります。
そして、痛みが強くなります。
このような悪循環に陥ることが実際に多くあります。


反対に、階段が少し楽になるとどうでしょうか。
外へ出る機会が増えて、自然と身体を動かす時間が増えます。
歩くことに自信がつきます。


小さな変化が次の一歩につながるこのような好循環を、私たちは「改善の正の連鎖」と考えています。
「宅トレゆうき体操」は、その第一歩をご自宅から始めていただくために生まれました。

「動けるカラダ」コースのご案内

7月のリニューアルにより、「宅トレゆうき体操」は月額2,000円(税込)のサブスクリプションサービスとして新しくスタートしました。
毎月テーマを変えながら、
・階段
・歩行
・立ち上がり
・股関節
・膝
・腰

など、日常生活に役立つ運動療法を動画で配信しています。
手術を勧められている方。
医師に勧められた手術を受けるかどうか迷われている方。
手術前・術後の身体づくりをしたいと考えている方。
それぞれの状況に合わせて、ご自宅で継続しやすい内容を目指しています。

よくある質問(FAQ)

階段の上りだけ痛い場合は筋力不足なのでしょうか?

筋力だけが原因とは限りません。股関節の可動域や身体の使い方など、複数の要因が関係していることがあります。

下りのほうが痛いのはなぜですか?

階段の下りでは着地時の衝撃を受け止める動きが大きくなります。そのため、膝や股関節への負担が増えやすくなり痛みが起こりやすいと考えられています。

痛みがあっても運動してよいのでしょうか?

痛みの原因や程度によって適した運動は異なります。無理に負荷をかけるのではなく、ご自身の状態に合った方法を選ぶことが大切です。ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

最後に|「一生歩ける身体」を目指して

階段の上り下りは、私たちが毎日の生活のなかで何度も繰り返す動作です。
だからこそ、階段が楽になることは、「生活そのものが楽になること」につながります。
「もう年齢だから」とあきらめる前に、ご自身の身体にはまだできることがあるかもしれません。
7月のテーマ「階段の上り下り」では、その第一歩となる運動療法を動画でわかりやすくご紹介しています。
一歩一歩を積み重ねながら、「一生歩ける身体づくり」を私たちと一緒に始めてみませんか。

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