「筋肉を鍛えれば、関節は守れる」は本当か?「鍛える前に整える」という考え方

【この記事の結論】

体に痛みや不調を感じ整形外科を受診すると、「筋力を強化して患部を守りましょう」と運動療法を勧められることが多くあります。この考え方自体は間違いではありません。しかし43年間、膝痛・股関節痛・脊柱管狭窄症の患者様を診てきた専門治療院として、私どもはその前にすべきことがあると考えています。それが、筋肉を鍛える前に、関節周囲を整えることです。体のアンバランスを残したまま鍛えることは、時に痛みを悪化させるリスクさえあります。本記事では、その理由と考え方を解説します。

「筋力をつけましょう」という、よくある指導

体のどこかに痛みや不調を感じ、整形外科で診察を受ける。

「老化ですね。筋力が衰えているので、筋力を強化し、患部を守りましょう」

そう言われ、運動療法を勧められるケースは、とても多く見られます。

衰えた患部周辺の筋肉を強化し、患部を守る。その結果として痛みを改善する。この考え方自体に、間違いはありません。

ただし、一つ、その前にすべきことがあると、私どもは考えています。

鍛える前に、整える

それが、筋肉を鍛える前に、その関節周囲を整えておくということです。

これは、当院が最も大切にしているステップだと言っても過言ではありません。

私どもは、アンバランスな状態のまま特定の筋肉だけを鍛えることには注意が必要だと考えています。 これまでの症例を振り返っても。症状が改善するどころか、かえって症状を悪化させてしまうリスクさえあるといえます。

なぜでしょうか。

たとえば、すでに骨盤が傾き、左右の脚の長さに差が生まれ、関節の動きに偏りがある状態。この土台が歪んだままの状態で、特定の筋肉だけを一生懸命鍛えたとしても、その力は正しく関節を支えることができません。むしろ、歪んだバランスのまま筋力だけが強くなることで、負担のかかり方がより偏り、症状が進んでしまうことさえあるのです。

整地をしてから、植物を育てる

私どもは、この考え方を、よく「畑づくり」にたとえてお伝えしています。

土壌が石だらけで、傾き、凸凹のままの畑に、いくら良い苗を植えても、まっすぐには育ちません。

まずは土を耕し、石を取り除き、平らに整える。そうして初めて、植えた苗が根をしっかりと張り、健やかに育っていきます。

体も同じで、まず「整地」が必要です。 

アンバランスな状態を整え、いわば体の「整地」を済ませてから、筋肉を強化していく。この順番が、とても大切なのです。

過ぎたるは…ここでも同じ

そして、以前の記事でもお話しした通り、「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」です。

体を整えた後であっても、過度に鍛えすぎることは逆効果になります。何事もステップを踏むこと、そして「適量を行う」ことが大切です。

整えて、少しずつ、適量を積み重ねていく。この地道な積み重ねこそが、遠回りのようで、実は最も確実な道だと私どもは考えています。

あなたの体のクセ、気づいていますか

「歩いている姿がおかしい」と言われたことはありませんか。

ショーウインドウに映る自分の歩き姿、立ち姿が、左右や前後に傾いている。そんな経験はありませんか。

長く体を使って生きてこられたからこそ生まれる、体のクセ、歪み、アンバランス。それは決して珍しいことではなく、多くの方に見られるものです。

痛みが出てからではなく、痛みが出る前にこうした身体のクセに気づくことも大切です。 

そうした体のクセを整えたいとお考えでしたら、どうぞお気軽に当院までお問い合わせください。

自宅でできる「整える」習慣

「まずは自宅で、できることから始めたい」という方には、「宅トレゆうき体操」もお勧めです。

関節を整えることを土台に置いた運動療法を、ご自宅で気軽に実践していただけます。

▼ 宅トレゆうき体操の詳細はこちら

体は、土台が大事です

体は、土台が大事です。

あなたの体の土台づくりに、少しでも当院がお役に立てれば、このうえなく幸せです。

手術回避率94%を掲げ、OARSI(世界変形性関節症会議)で論文が採用された実績を持つ、ゆうき指圧。膝痛・股関節痛・脊柱管狭窄症の専門治療院として43年間積み上げてきた独自のノウハウを、ご自宅でも実践していただくことを目的に公開したのが「宅トレゆうき体操」です。

おわりに|鍛える前に、まず整える

「筋力をつければ、関節は守れる」

その考えは、決して間違いではありません。しかし、その前にもう一つ、大切なステップがあります。

鍛える前に、整える。

この順番を守ることが遠回りのようで、実は改善への一番の近道です。

私どもは、これからも長年の経験をもとに、皆様の体の土台づくりを支え続けてまいります。