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目次
1. スポーツ経験と骨盤底筋の緩みの矛盾
当院に来院される患者様の多くは、若い頃からスポーツに親しんできたにもかかわらず、医療機関では「骨盤底筋が緩んでいるので強化してください」と指導されています。この事実は、一般的なスポーツ動作だけでは骨盤底筋の維持・強化には必ずしも繋がらない可能性を示唆しています。
2. 膝痛・股関節痛と排泄トラブルの相関性
長年の聞き取り調査から、下肢の関節痛と排泄トラブルには強い相関が見られます。具体的には、膝痛を抱える方は「便秘・便秘気味」の傾向があり、股関節痛を抱える方は「頻尿・頻尿気味」であるケースが非常に多く観察されています。
3. 姿勢・動作指導の重要性と現状の課題
日常生活における姿勢や動作を適切に指導・修正することで、歪みのない、機能的に正しく働く骨盤底筋を取り戻せると考えます。しかし、現在の一般的なアプローチにおいて、この根本的な動作指導があまり重視されていないのはなぜでしょうか。
4. 膝・股関節の変形と骨盤の傾き
下肢の不調は骨盤の傾きに直結します。膝が悪い方は「骨盤の過度な後傾(後ろへの傾き)」、股関節が悪い方は「骨盤の過度な前傾(前への傾き)」が見られます。骨盤底筋のリハビリには、まずこの骨盤の前後傾を調整する運動を組み込むべきです。
5. 骨盤の歪みがもたらす影響
骨盤自体に左右の歪みやねじれが生じている状態では、その底部を支える骨盤底筋も正しい位置で収縮できず、本来の機能を十分に発揮できないのではないかと考えられます。
6. 内転筋(太ももの内側の筋肉)の左右差
内転筋の緊張や筋力の左右差は、骨盤底筋の機能を低下させる大きな要因だと考えられます。そのため、骨盤底筋のトレーニングを行う前段階として、まずは左右の内転筋の硬さをほぐし、バランスを整えるアプローチが有効ではないでしょうか。
7. 股関節の可動域の左右差
股関節の動く範囲(可動域)の左右差は、骨盤底筋に多大な影響を与えます。この左右のアンバランスを少しでも調整・解消した上で、骨盤底筋の運動へ移行すべきだと考えます。
8. 脚長差および足部のアライメント不良
左右の脚の長さに差がある場合(脚長差)や、足元が内側・外側に過度にねじれている(内旋・外旋が強い)場合は、骨盤底筋の運動を効果的に行うためにも、先にこれらの下肢のアライメント(アライメント:骨や関節の並び順)を調整すべきではないでしょうか。
9. 多角的な骨盤底筋へのアプローチ(上方・後方・側方)
現在一般的に推奨されている骨盤底筋運動は「上へ持ち上げる(挙上)」動きが主となっています。しかし、骨盤底を立体的に支えるためには、上方向だけでなく「後方への引き込み」や「横方向(側方)への強化」も加えた、多角的なアプローチが必要であると考えます。
尚、上記の仮説および考察は、当院・理学作業療法士・看護士・助産師・医師との合同で検証中です。